STORY ストーリー

特急列車の廊下でマネージャーのヴァレンティン(クリステン・スチュワート)が携帯電話で女優、マリア・エンダース(ジュリエット・ビノシュ)のスケジュールを調整している。マリアは今、新人女優だった彼女を発掘してくれた劇作家、ヴィルヘルム・メルヒオールに代わり、彼の功績を称える賞を受け取るためチューリッヒに向かっている途中だ。ここ数年公の場に姿を見せていないメルヒオールは、前もって賞を受け取ることを拒否した上で、マリアに彼女を世に送り出した舞台「マローヤのヘビ」の題名の由来でもある景勝地、シルス・マリアまで来るよう指示してきたのだ。その時、メルヒオールが71歳で亡くなったという衝撃的な知らせが入る。

授賞式当夜、マリアが会場入りすると、壇上ではメルヒオール作品の常連俳優だったヘンリク・ヴァルト(ハンス・ツィジシュラー)が故人との思い出を語っている。そして、レセプションでマリアに面会を求めて来た人物がいた。新進演出家のクラウス(ラース・アイディンガー)だ。彼は「マローヤのヘビ」のリメイクにマリアの出演を熱望しているという。しかしマリアに求められた役柄はかつて演じた20歳の主人公、シグリッドではなく、シグリッドに翻弄され、自殺する40歳の会社経営者、ヘレナ役。シグリッド役には、ハリウッド映画で活躍する19歳の女優、ジョアン・エリス(クロエ・グレース・モレッツ)が決定していた…。